やどかり屋店長の生体や製品に関するコラム的コンテンツ

プロテインスキマーってどれが最強なんですか?どれがいいのですか?と聞かれる機会が増えたので、改めてスキマーについて考え直してみました。
ベルリン式飼育方法が普及する前は中仙道だったプロテインスキマー。
2010年現在ベルリン式飼育方法がサンゴ飼育のスタンダードな飼育方法として確立していますが、ほんの10数年年前は、プロテインスキマーはショップで見かけるのはテトラのサンダースキマーくらいで、ベルリン社のスキマー等がショップに並ぶまでは、存在はあったけど、みんな着目なんてしなかった。
丁度今は新幹線と名神高速が東京-大阪行く時は必ず米原を通るけど昔の東海道は、草津から鈴鹿と通って桑名に出るので、存在はあったけど有名ではなかったみたいな。そんな陰の存在でした。
もともとは淡水用(ディスカスのオゾンミキサー?のようなもの)として発売された記憶が、当時はスキマーというよりオゾンを直接飼育水に入れないような目的。
プロテインスキマーは筒の中で泡を発生させ、その泡が浮く時にタンパク質などの浮遊物を吸着し、循環水からカップに隔離して、アンモニアなどに変化していく前に除去する装置である。今考えるとプロテインスキマーは水槽外の隔離されたカップに有機物を取り除く為に非常に効果的な器具ですが、需要がないとメーカーは技術開発等が鈍るので、それまではウッドスートン式という細かい目の木を長方形に切った物にエアーポンプで圧のかかったエアーを送ることで、細かい泡を発生させ、カップに汚れを集める仕組みが一般でした。この方法だと大型水槽用では非常に大型の物になり、またウッドストーン自体が使用しているうちに泡の大きさが粗くなる為に、当時は小型水槽の端に取り付けるくらいの用途でしか使用されていませんでした。
このマイナーだった器具にスポットライトが当たったのはベルリン式の普及であるというか、ベルリン式がそれまでの主流であったろ材中心としたろ過方法からプロテインスキマーをメインとしたろ過システムに切り替わった為で、長期飼育が困難だったSPS類(ミドリイシの仲間)の長期飼育がメタルハライドライトとの併用で可能になったこともあり、マリンアクアリスト内での知名度とその普及率が爆発的にあがりました。
ベルリンシステム普及当初は、ウッドストーン式では水槽サイズに限度があるためにRed Sea社のベルリンスキマーというエアーリフトでないベンチュリー式(ニードルホイル式)という新方式によりスキマー内の泡が細かくなり60cm-サイズ以上(200L以上)の水槽でも水槽まわりに置けるサイズのスキマーが登場したこともあり、ベルリン式が普及していきました。
私も当初のベルリンXLを使用していましたが、泡の調整にコツが必要で、しばらく使用してると調整したりとなかなか世話がかかりましたが、エアリフト式と比べるとと我慢していたものです。その後この泡の作り方に各社独自性を取り入れ、HSA E.T.S.Sやバレットなどハイパワースキマーと呼ばれるスキマーの登場で、ベルリン式水槽はさらに安定+大型化への道を突き進む事になります。
上記のように各社が泡の発生元である心臓部にしのぎを削り、製品化していく中でハイパワースキマーが人気になりましたが、普及するにはその心臓部であるポンプの消費電力の効率化が必要になり、その後はより効率的なスキマーが徐々にシェアを広げる事になります。これは丁度自動車産業を例に例えるとわかりやすく、メーカーはスポーツカーを発売し、技術力の高さを宣伝し、ファミリーカーでコンシューマー市場に投入するようなものです。(元々ハイパワースキマーの大型モデルはコンシューマー市場と言うより水族館等用として販売されていた。)
ドイツのH&Sのスキマーはポンプも一体式で消費電力も低く、60cmから90cmのベルリン式のキーパーにランニングコストやメンテナンス面から支持を得て有名になりました。
2010年現在ではさらに多くのメーカーがスキマーを発売し、逆にどのスキマーが自分の水槽に一番なのかが逆にわかりにくいご時勢になっているのかもしれません。性能は各社少しの差があれど、カタログ値の性能があるので、どのスキマーが良いかは逆にスキマーに何を求めているかを中心に探される方が良いと思います。スキマー選びのポイントは以下の通りです。
1.値段…高性能で値段が安いスキマーがあればいいのでしょうが、値段の幅により素材や作りも異なる。
2.スキマーの方式…カタログやユーザーのホームページなどで使用感や構造等勉強されて何式にするか考えるのも手かと
3.メンテナンス…スキマーは側面の汚れを細かく掃除しないと除去能力が落ちてきます。メンテナンスのしやすさは、常に能力を最大に近い効率で稼動できますので、ポイントが高いです。ただし、この辺は実際に使用した方の意見でしかも先に違うスキマーを使っておられ、比較できる方でないと出てきづらい意見です。
4.見た目…さほど重要でないかもしれませんが、こだわる方はこだわります。
スキマー議論は昔から結構熱く語られていて、どの意見が間違っててどれが正しいと言えるものではありません。ただ私はめんどくさがりやなので、掃除をしやすい機種を語るかな。ちなみに私が過去に見た中で一番掃除しやすいと思ったスキマーはバブルキングシリーズです。ネジ無し、ひねり無しのカップ取りはずし1秒。これはメンテナンスに関しては最強だと思います。ただし値段は他のスキマーより高いので、差額分で楽を買うような気持ちで納得しなければいけませんね。
バブルキングのコレクションカップの着脱
バブルキングは動画の様にすごい掃除が楽です。スキマーはどれが最強とかでなく求める機能で変ってくると思います。何に自分はウェイトを置いてるかを明確にすると店頭でのスキマー選びもより具体的になります。
スキマーの泡って細かい方が良いと思われていますが、細かすぎると、筒の中で浮上しにくくなり、浮遊有機物を除去できなくなり、効果が落ちます。スキマーは筒の表面積と泡の細かさと両方が丁度良い具合な時に一番効率がよくなります。これも車のチューニングに例えるとわかりやすく、いくらハイパワーエンジンを載せ変えても、足回りがそのままでは直線でしか、エンジンパワーを発揮できません。また過度な泡立ては、水槽内に異変があったときオーバースキミングが半端でなく、水槽まわりが水浸しになってしまいます。(特にハングオンスキマーは)これはエンジン載せ変えてもブレーキ周りがそのままみたいなものです。
スキマーはDIYしやすい器具ですが、製作、改造される時は上記の点を留意された方が良いと思います。
記載日:2010年11月2日
Copyright(C)2004-やどかり屋 All rights reserved.